Doll 8ーGirl of time
放課後、ボーイッシュな女の子が校門に立っていた。
「げっ」
「え? ハルクの知り合い?」
「知り合いっていうか……その……」
「もしかして、あの子がラセン?」
「な、何でお前がラセンを知ってんだよ……まさか、タスクさんから──」
「うん、聞いた」
「なに余計な事を話してんだ、あの人は」
言って、そそくさと身支度を整えてハルクは教室を出て行った。
私は、今出て行くのも気まずいと思って暫く様子を見る事にした。
ラセンと何を話してるのかな……
あ、ラセンがハルクに抱き付いた。
ハルクもまた、ラセンを抱き締めて……
「あ」
ラセンと目が合う。
と、抱き付いたまま睨まれた。
私は兄妹で嫌われているらしい。
きっと、ハルク絡みだよね……
誤解する関係なんかじゃないのに……
「か、帰ろうっと」
そそくさと通り過ぎようとする。
──が。
「アリス、待ちなよ」
ラセンに呼び止められる。
振り向くと──
ハルクとラセンのキスシーン……
そして、彼女は勝ち誇った顔で私を見た。
.