Doll 7-Person is a colander thing
直線を右に曲がる。
──ハルクが見えた。
「うっ……」
ハルクの持つ剣が反射した。
思わず足が止まる。
「ねえ……何で来たの、アリス」
「タスクさ──」
「気ィ利かせてあげたっていうのに……キミはいつも」
タスクさんは言いかけて止めた。
「アンタにとっちゃ酷な現場なんだよ」
と、顎で指された方向を見る。
私は息を呑む。
バシュ──
「ウゴアァァアアア!!」
Arice・Dollの叫びと共にリクの左腕が宙に舞った……
「意味が分かったかな、アリス?」
タスクさんは目を伏せて微笑んだ。
「いやぁぁあああっ!!」
駆け寄ろうとする腕をタスクさんに掴まれる。
「手! 離して!」
その手を振り払うと、別の手に掴まれた。
ハルクだった。
「離し──」
「見ろ! もう、アイツはリクじゃねェ!」
「そんな事ない! リクは、リクは──」
「ウグゥ……」
出血していない。
それどころか体内(なか)に何かが見える……
赤ちゃん? いや──
「人形(ドール)……?」
木やプラスティックで作られた人形のようなものが切断された箇所から見えた。
ソレは、カタカタと動いていた。
何が起こっているのか……
分からない──
「あ……ああ……」
頭が混乱する──
「ルナ……見ルナー!!」
ドォーンッ!!
Arice・Dollの放った闇が私を襲う。
──思考が追いつかない……
「アリスー!」
「ダメだ、ハルク! 間に合わない──」
その瞬間、何者かが現れて闇を払った。
そこで、私は意識を手放す……
「だぁぅ」
そして……
遠く、赤ちゃんの声が響き渡った──
Doll 7-Person is a colander thing....END....
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