Doll 7-Person is a colander thing




「もう……どこにいるのよ」
「アリス。分かれて捜すぞ!……お前はアッチな!」


タスクさんは一方的に告げると行ってしまった。


「……そっちなんですね」


私はタスクさんを追おうとした。
突然現れた男に道さえ塞がれなければ──


「……君が行って何が出来る?」
「誰?」
「セツナ」


どこかで名前を聞いたような気がする。
思い出せない……

しかし、今はそんな事を考えている場合じゃない。


「どいて下さい!」
「答えろ、アリス」
「どうして、名前……」
「そんな事はどうでもいい」


冷たい目、冷ややかな口調……
重くのしかかる空気……
息苦しくなる──


「た……大切な人がいると思うんです」
「それは、ハルクの事か?」
「え?」

ドクン──

「違います……っ」


私はリクの事を言ったつもりだった。
それなのに彼は、“ハルク”と言った。

“一心同体”が頭を過ぎる。


「そんな顔をするな」


笑った?
私、変な顔……してた?


「……行け」
「あの……」
「君とは仲良くなれそうにない」


と、突き飛ばされる。


「いきなり何するんです──」


言いかけて言葉を失う。
彼は……セツナは殺気を見せていた。
“これ以上、顔も見たくない”と空気が言っているようだった。


「ハア……ハア……っ」


私は逃げるように林に向かって走る。
追ってこないと分かっていたけど、一刻も早く彼から離れたかった。

彼は、Arice・Dollとはまた違う殺気を持っていた──



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