Doll 7-Person is a colander thing




「と、まあ……口は悪いし手も早いんだけど一途なヤツ」
「……そうなんですか」
「羨ましい?」
「なんでそうなるんですか」
「……オレっちには羨ましいよ」


タスクさんは空を見つめて言った。


「いるんだ、オレっちにもそういうヤツ……」


寂しそうに感じるのは気のせい……?


「その人って──」
「生きてるよ、一応な」
「ごめんなさい、私……」
「何で謝るんだよ!」


タスクさんがイキナリ声を荒げた。


「……ゴメン。でも、リコリスは元気なんだ。ホント」
「今度、紹介して下さいね」
「アイツに妬いても知らないかんな」


そう言って、タスクさんは微笑んだ。
私には無理をしているように見えた。

──理由は聞けない。



.
5/10ページ
スキ