Doll 7-Person is a colander thing
「何でダメなんだ、兄貴!」
赤茶の短髪、ボーイッシュな少女が叫んだ。
名前は“ラセン”。
「落ち着け」
答えたのは落ち着いた感じの少年。
赤茶の長い髪を後ろで一つにまとめている。
右目には眼帯をしている。
“セツナ”だ。
「充電は完了してるだろ」
セツナはラセンの左手を見て溜め息をつく。
切り傷が薄っすらと残っている。
「……行ってどうする?」
「決まってんだろ。ハルクと──」
「無理だな」
「はあ?」
「タスクからの報告を聞いていなかったのか?」
「アイツ、嫌いだ」
「……じゃあ、丁度いいな」
「一人で行くのか?」
「様子見に、な」
と、空間が渦巻く。
「待って、あたしも──」
「迎えに行くから待っているんだ」
セツナは空気に消えた。
「クソ……」
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