Doll 7-Person is a colander thing




「おはよう」
「…………」
「ハルク?」
「あ、あぁ……はよ」


私の体調が回復した途端、ハルクの様子が変です。
無視というよりも聞いていない……上の空状態。
タスクさんは「幸せもんだな、アリスは」と言って何も教えてくれません。


「私が眠っている間に何かあった?……Arice・Dollとか……」
「近付くな」
「私が何をしたって──」
「おりゃあ~!」

ドン──

タスクさんに思い切り押される。


「何するんですか!」
「わぁ、真っ赤だ」


タスクさんに言われてハルクを見る。
確かに顔が赤い……
どうして?


「ボサッとしてねェでどけよ」
「アリスに当たんな」
「……調子、狂うんですよ……」
「しちゃったもんな、キス」
「ばっ──」


目が合うと、ハルクは部屋を出て行ってしまった。


「気にすんなよ。アイツ、照れてるだけだから」
「照れる必要なんて──……キス!?」
「そういう年頃なんじゃん?」
「え?」
「アイツ、一応……女いるし」


女って、彼女?
…………関係ないじゃない!


「ショック?」
「受けてません」
「顔に出てるけど」
「嘘!?」
「うん、嘘」
「タスクさんってば!」
「冗談の通じない奴だなぁ」
「もう……」


……本当は少し、ショックな気がする──


「でも、ハルクに一直線な女はいるよ……ラセン、そいつの名前な」
「ラセン……?」



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