Doll 6-Scratch of the contract
「なっ……それってコイツにキ、キ……」
「何? 照れてんの?」
「べ、別に照れてなんか──」
「アリスの顔色が段々と悪くなってきてるけど?」
「うっ……」
「二人きりにしてあげよっか?」
「だから、そういう言い方は……」
「あ、オレっちがするって方法もあるけど」
「何か、企んでません?」
「別にぃ。でも、アリスは可愛いから良かったねって」
「もう、出てて下さい!」
「へいへ」
「ったく……あの人は……」
……頬に冷たいものが触れる。
何か……気持ちいい……
「穏やかな顔してやがるし……」
ハルク……?
いつもと雰囲気が何か違う気がする。
「黙ったまんま……らしくねェっての」
意識が消える寸前、唇に柔らかいモノが触れた気がした──
「……額でも良かったんだけど。ま、いっか」
Doll 6-Scratch of the contract....END....
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