Doll 6-Scratch of the contract




「ん……」
「気ィ……付いたか」
「ハルク……ここは……?」
「お前の部屋」
「私……どうし……て……」
「アリス!  おい──」


ハルクの体温を感じながら、意識が消えていく……

苦しくて、痛くて……声にもならないまま──


「ついにハルクもねぇ……」
「アリスの様子が変なんだ」
「変?」
「苦しそうにしてるかと思えば、死んだように反応さえしなくなる……」
「見せて」
「……タスクさ──」
「まずいよ、これ」
「何が……ですか?」
「Arice・Dollと接触したみたいだ」
「そんなはず無い」
「ずっと、一緒だった?」
「あ、ああ……」
「トイレも一緒だったワケ?」
「それは──」
「アリスしか分からないからね」
「……」
「手遅れになる前にどうにかしないと」
「……方法を探す為に一度、戻り──」
「オレっち達だったら助けられるけどね」
「どういう事ですか?」
「Arice・Dollの血が混ざってるじゃん……」
「……そうですね」
「オレっち達なら、体内で少しずつ毒を浄化できると思う」
「その方法は?」
「毒を吸い出すんだ」
「どうやって?」
「簡単に出来るじゃん」
「簡単にって……」
「そんなのも分かんないの?……仕方ないね、耳貸して」


Arice・Doll……?
声が耳をすり抜けていく……
また、何かに押さえ付けられる感覚……
苦し──



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