Doll 6-Scratch of the contract




「早かったな」


ハルクの機嫌は悪かった。

“一心同体”
タスクさんの言葉を思い出して、もしかしてと思ってしまう。


「ハルクには関係ないじゃない」
「……そうだな」


どうして、言い返してくれないの?
何だか胸が痛む……気がする──


「明日、早いし寝るね」
「何でオレに言うんだよ」


ハルクは私を冷たくあしらう。
これがいつものハルク……なんだよね。


「何々?  朝練とか?」
「……図書室で調べものです」
「何を探してるの?」
「あるかは分からないんですけど、Arice・Dollの──……っくしゅん」
「風邪、引かないようにね。おやすみ」


タスクさんが上着をかけてくれた。
肩に温もりが残っている。



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