Doll 6-Scratch of the contract




「お待たせしました」
「もう、気は済んだ?」
「……はい」


クラリスとスージィに“ゴメンね”を言いに来た。
二回も殺してしまったのだから……

何度もお墓を前に泣いた。
何回、何百回と泣いても枯れる事を知らなくて。
また泣いた。

お別れは“また来るから”──


「そっか」


タスクさんが私の肩に手を置いた。


「あの……」
「肩の力。抜いていいのに」
「抜いたらまた泣いちゃいそうだから……」
「いいんじゃない、別に」
「え?」
「毎日、泣いてるワケじゃないんだから」
「でも……」
「ハルクに言えない事、オレっちなら聞いてあげられるよ」


その言葉に私の感情は高ぶる。
スージィとクラリスとの思い出から始まって、この先の約束までタスクさんは無言で聞いてくれる。
言葉が無くなると、優しく抱き締めてくれた。
ハルクがタスクさんを尊敬する理由はこういう所にあるんだと改めて思い知らされる瞬間……



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