Doll 5-Man who returned
外へ出ると、違和感を感じた。
「何、この臭い……何か腐ったような──」
「アァァアアアー!」
背後から奇声が聞こえた。
結構近い距離──
私は恐る恐る振り向く。
「ア……アァァアアアー!!」
「きゃあぁぁあああっ!」
骸骨が……
違う、死体だ。
死体が勢いよく私目掛けて走ってくる。
「きゃあ!」
投げ飛ばされ砂場に投げ飛ばされる。
「いたた……」
砂がクッションになった分、痛みは和らいだ。
“逃げなきゃ”──
本能がそう叫ぶ。
「嘘……」
目の前に死体の姿があった。
少しずつ、距離が近付く。
ふと、スージィの姿と重なる。
「スージィ……なの?」
死体がピクリと反応した。
「きゃ──」
前に気を取られていると、後ろから誰かに殴られた。
「うぅ……」
ゆっくり後ろを見る。
もう一体、死体が居た。
「そんな──」
死体の立ち方、仕草が──
「クラリス……」
と、口を大きく開ける。
“アリス”
そう呼ばれた気がした。
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