Doll 27-Intruder
暗がりの室内。
ぐちゃぐちゃ……
ぬちゅぬちゅと音が響き渡る。
「失礼しま──」
入ってきたエリーゼが顔をしかめ、鼻と口元を塞ぐ。
「……Arice・Doll……」
彼女に呼ばれ、振り向くArice・Doll。
“リク”の顔で微笑む、Arice・Doll。
彼は身体中が血に染まり、足元には様々な人間だったもののパーツや臓器が散らばっていた。
「驚かせてしまったかな」
「い、いえ……」
「新作に行き詰まってしまったんだ。思考を変えたんだが、やはりイキモノでは上手くいかない……」
「…………片付けは私が──」
「君のドレスが汚れてしまうよ。片付けはアレにやらせる」
Arice・Dollは血の付いた手で、エリーゼのスカートの裾の誇りを払う。
「…………アレ、とは?」
「ロゼリアだよ。彼女には紅がとても似合う」
その言葉にエリーゼは手に汗を握った。
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