Doll 4-Boy of the lost child




キキーッ……
ドゴン──

「何?」
「車だな。煙も上がってる……まさかとは思うが、アイツじゃねーだろな……」
「縁起でもない事、言わないで!  それに、あの子は逆の方向に走っていったじゃない!」
「……そうだったな」


と、おばさん達が話しながら、やって来た。


「怖いわね……」
「あの子、大丈夫かしら?」
「即死……かもね……気の毒に」
「あの……」
「事故の事?」
「何があったんですか?」
「飛び出てきたのよ、犬が。それで車が避けたんだけど」
「別の車に突っ込んだの」
「……犬だって?」
「まさか……」
「老犬よ」
「老犬……?  運転してた方は?」
「分かりっこないわよ……もういい?」
「ありがとうございます」

ハルクは何やら、考え込んでいる。


「……悪りィ、急用を思い出した」
「ちょっと、ハルク!」
「すぐ戻っからよ」


ハルクは走って行ってしまった。


「あ……そっち、事故があった方向だよ……ね?」



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