Doll 27-Intruder





「ハルク、お裾分け」


ラセンは窓を開けると、そう言った。


「マドレーヌ? カップケーキじゃなかったのか?」
「よく分かんないけど、直前に変えたって。まあ、カップケーキもマドレーヌも似たようなものじゃない?」
「……違うだろ」


ハルクは呟くようにそう言った。


「とにかく、アリスに気付かれる前に食べてよね」
「分かってるっての……てか、何でコソコソしなきゃなんねェんだよ」
「仕方ないでしょ。最初の印象が悪かったんだから」


ラセンは笑いながら言った。


「……笑い事じゃねェ」


呟くと、マドレーヌを一口で食べる。


「…………美味……」



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