Doll 4-Boy of the lost child
リンゴーン──
授業終了のチャイムが鳴り、生徒達は下校する。
生徒達の中、私は考え事をしながらボーっと歩く。
内容はリクとクラリスと──……
「変な顔してんぜ、アリス……なんつーか干からびた人参みたいな」
「ハルク、煩い!……人が悩んでるっていうのに」
「リクとArice・Dollな……」
「私、どうすればいいんだろう……」
「いっその事、もうアイツの事は諦めれば?」
「なっ……誰が諦めるもんですか!」
私が怒るとハルクは吹き出して笑った。
「な、何?」
「悩んでる意味がわかんねーよ……諦める気がないなら、それでいいだろ」
「あ、そっか」
そんな事を話しているうちに生徒達の群れから外れていた。
ふと目に留まった公園に夕焼けが差し込む。
ドン──
「きゃ!」
「いってぇ! よそ見してんじゃねーぞ!」
「何よ、ぶつかっといて」
「アリス、よく見ろ。相手はガキだ」
ハルクに言われて足元を見ると小学校二年生くらいの男の子がいた。
「……ごめんね」
「謝りゃすむと思ってんのか?」
「おい、ガキ。調子に乗んな」
「うぅ……ふぇ……」
「ちょっと、ハルク」
「オレ様に嘘泣きは通じねーんだよ」
「ちぇ、つまんねーの!」
「うわっ!」
男の子はハルクに砂を投げ付けて走り去ってしまった。
「あんのクソガキ!」
「大人気ないよ、ハルク。それと、ガキじゃなくって“子供”」
「あんなヤツ、ガキで十分だ」
「こら!」
「いて、お前なぁ……」
「あ、何か落ちてる……あの子かな?」
「首輪?」
「ダイゴ……犬の名前かな?」
「いらねーだろ。捨ててやる」
「ダメだよ。大切な物かもしれないし……あの子、まだ近くにいるかも」
「また、面倒くせェ事を……」
「帰ってていいよ」
「……何か、ムカつく」
結局、文句を言いながらもハルクはついて来る。
クラリスの事があってから、何だかんだで傍に居てくれているのかもしれない。
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