Doll 27-Intruder






「遅くなったな、ハルク」
「別にいい」
「喧嘩の時間、か? ここんとこ、溜まりに溜まってんだよ」


そう言って、リゼルはニヤリと笑う。


「だろうな。けど、今日は違う……」
「…………アリス絡みか?」
「あぁ……アイツが現れたと同時に何ていうか……心がざわついてる。」
「あーあ。学校、サボれなくなんのか」
「……リゼル……」
「悩むなら、違和感を信じろ」


リゼルはハルクの心臓部分を指差し、続ける。


「やんねぇで後悔すんなら、やって後悔しろや」
「……そう、だな」
「それと、たまには休めよな」


その言葉にハルクはリゼルから視線を逸らした。


「…………あぁ」
「けどま、あいつ。俺に好意持つかもな」


笑いながら、リゼルが言った。


「……想像できねェんだけど」
「は? 冗談だし! つぅか、人の気持ちなんか分かんねぇだろ!」
「それもそうだな。オレもお前も……」
「そんじゃ、今日は派手にやるっきゃねぇな」


ハルクは“サンキュ”と言って、拳を構えた。



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