Doll 27-Intruder




「わざわざ呼び出すって……」
「告白されるって、ドキドキした?」
「相手がお前って……ドキドキも何もねェだろ、ラセン」
「それもそっか」


そう言って笑うラセンに一瞬、ドキッとした。


「……お前、髪……」
「……結んでみたんだけど…………変、かな?」


結びきれず残った横髪を掻き上げ、ラセンは言った。

一瞬、ドキッとさせられたのは……ラセンにトキめいた訳じゃない。
彼女が──


「……いや、よく似合うよ」
「ありがとう……実はね、もっと……伸ばそうと思ってるんだ」


……彼女が…………ラセンがセツナと重なる──

オレは必死に言葉を探す。
だが──


「気、つかわないで……私、辛くないから。逆に……何て言うか、スッキリしてるよ……色々と」
「……そっか」
「初恋は実らないなんてよく言うけど、実際は違うね」
「は? お前さ、オレが初恋なんじゃなかったか?」
「……カモフラージュ」


冗談に冗談で返す。
ラセンとは久しぶりのやり取りだった。

──本当はなんとなく、分かってた。
それに気付かないふりをしてただけなんだって、今は思う。


「ずっと引きずるのは事実……でもね、あたしには……幸せな事」


ラセンは笑ってた。
……目に泪を溜めながら、溢さないように……


「呼び出しついでに頼まれてくれねェか?」


ラセンは涙を拭い、頷いた。


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