Doll 27-Intruder





──翌日。
休み時間にアリスがお菓子のレシピ本を読んでいると、ティアラが声を掛けてきた。


「アリスってお菓子作りが好きなんだね」
「ティアラちゃんも?」
「……作った事ない」
「それじゃあ、今度一緒にどうかな?」
「…………いい、の?」


ティアラは戸惑いながらも笑顔で言った。
アリスもまた、笑顔で頷いた。


「……案外、普通だな」


そう言って、リゼルはハルクを見た。


「記憶以外は、な。きっと、お前も眼中にないどこか恐れられてる一人だと思うけどな」
「……だろうな」
「けど……」
「何だよ」
「今のアイツは、オレ達の知ってるアリスじゃねェ……」


溜め息一つ、リゼルが言う。


「今までが非現実だったんだろ……まだ終わってなんざねぇけどな」
「…………そうだな」



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