Doll 27-Intruder
──休み時間。
「なあ、お前がアリス?」
「えっと……」
「おれは、えっと──」
「ティアナ。彼女が困ってる。ごめんね、兄が」
それを聞いたハルクが口を挟む。
「兄妹? 何かあんまり似てな──」
「本当に兄妹なの、事実じゃない方が嬉しいのに……」
「えっと……何か、ゴメン……」
「あ、ごめんなさい……こっちこそ……」
気まずい空気を更に別の意味で悪化させたのは、次のティアナの一言だった。
「アリス、今日うち来ねー?」
「はぁ!? 行くかよ! てめェ、下心丸出しじゃねェか!」
「下心? あぁ、それもあんのか」
「オレにならまだしも、アリスに何て事言いやがる?」
「リゼルも口説かれたのか? なら行ってやれよ、デートくらい。アリスの為にも」
そう言って笑うハルクにティアラが思わず笑う。
つられてアリスも笑った。
そんなアリスを見て、ハルクは安堵する。
「ごめんなさいね。兄にはよく言い聞かせるから」
ティアラはティアナを睨んで言った。
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