Doll 3-Parting footsteps
「僕も好きダヨ」
「痛い……リク……」
と、閃光。
私とリクは引き離される。
「おい、大丈夫か?」
「……ハルク」
「頭、大丈夫か?」
「へ?」
「Arice・Dollを追う馬鹿が、二人きりになる馬鹿がどこにいんだよ!」
「だって、リクが! Arice・Dollじゃないリクが居たんだよ」
「リク……が?」
ハルクがリクを見る。
私もそれに続く。
「がはっ……!」
吐血。
「リク!」
「ダメだ、アリス!」
「離して、リクが──」
「Arice・Dollだ。リクは……いねェよ」
「そ……んな……」
「アイツがそう簡単に消えっかよ……」
ハルクは胸を押さえて悲しそうな表情でリクを見た。
ハルクはArice・Dollの何を見ているの──?
「モシヤ……リクが強ければ可能……ナノカ?……そうか、ソウカ」
血を舐め取ってリクが笑った。
その姿は、Arice・Doll──
私の脳裏をリクの言葉が過ぎる。
“もしも僕が──”
「私の好きなリクのまま……時が止まればいいのに……」
Doll 3-Parting footsteps....END....
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