Doll 27-Intruder




「何処まで行くんだ、クロノ?」
「……さあな」


宛もなく、クロノとゲッカは走り続けていた。


「カブラの事も」
「アイツは、いいの」
「…………成る程な」


5日目の夜、ゲッカが足を止めた。


「初めは……何かから逃げるのかと思っていたが」
「逃げる? アタイが? 笑わせんな──」
「何をそんなに焦っている?」


ゲッカは低い声で言った。


「……はぁ? 焦ってなんか──」
「死に急ぐなよ」


ゲッカはクロノを抱き締める。


「おい、離──」
「外では、対等だろう?」


そう言うと、ゲッカはクロノの唇を奪う。


「おま……っ! いきなり何す──」
「屋敷ではお前のが過激だろうが」
「……満更じゃない癖に……」
「…………慣れだ」


ゲッカは、それ以上何も言わなかった。
深呼吸一つ、クロノはゲッカに口付け……再び走り出す。
それにゲッカも続く──



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