Doll 27-Intruder





「…………くっ」


街中を駆け抜ける、カルロ。
足を止め、汗を拭い……また走る。
彼はそれを繰り返す。

「ねえ、見て」
「水も滴るいいオトコじゃん」
「ナンパる?」
「いいね」


カルロは女達に囲まれる。


「お兄さん、一緒にお茶──」
「……汚い手で……触るな……」


禍々しい殺気を放ちながら、彼は微笑む。


「探し物の最中でして、すみません」
「い、いえ……」
「さ、探し物……見付かると…いいですね……」
「有り難う」


そう言うと、カルロは人混みに消えていく



「……そういえば、さ」
「……うん?」
「ううん、何でもない……」


彼女達はカルロの去って行った方を無言で見つめた。


「…………何処に行った?…………アレは、野放しにしてはいけない──」



.
2/28ページ
スキ