Prologue Ⅲ



ドサッと倒れる、ハルクとリゼル。


「ったく、容赦ねーのな」
「お前だって本気だったろ」
「さっきの仕返しがかかってたからな」
「はは……悪りィ、悪りィ」
「けどよ、こんな本気じゃ足りねーんだよな」


真面目な顔でリゼルが言った。


「あぁ。オレもお前もまだ持っている力を引き出せていない……」
「あー! くっそ! どうしたらいいんだよ!」
「心当たりはある」
「早く言えよ!」
「けど、何処に行けばいいか──」
「意味分かんねーよ」
「……リゼル。お前さ、あいつの為に──」


風で草木が揺れる。


「あ? 何だよ」
「いや、何でもねェわ」



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