Prologue Ⅲ
南京錠を開け、扉を開ける。
室内は柵だらけで、檻のようだ。
カルロが電気をつけ、部屋を見渡す。
部屋は色んなものが散乱していた。
「かくれんぼでもしてるんですか?」
返事はない。
「いるなら、返事をして下さい」
物をどかしながら、何かを探す。
その仕草は次第に荒くなる。
「いない……? 一体何処へ……」
冷たい風がカルロの頬を掠めた。
窓が少し開いている。
「まさか!……でも、どうやって?」
窓に駆け寄ろうとして、何かに躓く。
「カグラちゃん……」
カルロは人形を拾って呟いた。
「何処へ行ったんだ、ゼクス……」
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