Prologue Ⅲ
「……なァ、リゼル」
「やーっと、起きたか。散々、殴りやがっ──」
「このまま、のが……いいのか?」
「あ?」
「……あいつにとって」
「ふざけてんのか?」
リゼルはハルクの胸ぐらを思い切り掴む。
「こんなこと言う為に俺の事、何度も殴りやがったのか? ふざけやがって……ぶっ殺すぞ」
「お前、まさか泣いて──」
「あ? テメェと一緒にすんじゃねーよ」
「誰が泣いてるって?」
「テメェだよ、テメェ!」
「オレの何処を見て言ってやがんだよ!」
リゼルの手を振り払い、ハルクは言う。
「あぁ、そうだ」
「ん?」
ハルクは穏やかに微笑んで、
「いつかの答えな……イエスだよ」
と、言った。
「ハァ? いつの話だよ」
「さァな。忘れてんなら、それでいい」
「何だよそれ。気になるだろーが!」
ニヤリと笑う、ハルク。
リゼルもまた微笑んで、二人は拳を交える。
「そうこなくっちゃな!」
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