Prologue Ⅲ
「クロノ! いるか!」
「留守だ」
「いるではないか! 聞いてくれ、エリーゼは──」
「いねぇってんだろが、カブラ!」
「……声に出てるぞ、クロノ」
呆れながらゲッカが言う。
「カブラよ。昔から変わらんな」
「そっくりそのまま返す」
顔を見合わせて、ゲッカとカブラは笑う。
「ホモってるとこ悪いんだけどさ」
「ホモってなどおらん!」
すかさず、カブラがツッコミを入れる。
「どうでもいいけどさ。アタイら出掛けるんだよ。野暮用でね」
「用事だと? 珍しいな」
「戻るまで待つってんなら聞くけど?」
「ならば、待たせてもらうぞ」
「ご自由に」
そう言うと、クロノとゲッカは消えた。
「本当に懐かしいな。あやつがいたら、な……」
カブラは空を仰ぎ見る。
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