Doll 3-Parting footsteps
「信じられない」
リクの背中は震えていた。
「……だけど信じるよ。記憶がなくなるのも事実だし、姉さんは嘘をついたりしない……」
「……ありがとう」
「でも、僕がやったのと変わらない……僕自身が弱いから許してしまったんだ……」
「弱くなんかないよ!」
「じゃあ、どうして……うぁぁあああっ!」
リクは頭を押さえて苦しみだした。
「どうしたの?」
「弱いカラ、大切な人も守れナイ……やめろ、Arice・Doll!」
「リク?」
「居るんだ、Arice・Dollが……あぁぁあああっ」
「分かるの?」
「…………ハァ……ハァ……奴からは、血の匂いがするよ……」
「ど、どうしよう……」
「……大丈夫」
「どうするの?」
「追い出す……これ以上は──」
リクの動きが完全に止まった。
リク自身の中で決着をつけるつもりなんだ……
お願い、負けないで──
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