Prologue Ⅲ




冗談、だろ?


「お前、このハルク様を忘れ──」
「いや! 来ないで……ッ」


……この反応は冗談には思えねェ。
そんなにショックだったって事かよ、クソッ……


「ハルク。一度……」
「あぁ、そうだな」


起きて記憶喪失?
本気で笑えねェだろ……
オレ達の今まではなんだったんだよ。
また大きな壁なんか作ってんじゃねェよ!


「おい、アリス」


アリスは怯えた顔でオレを見た。


「……心配すんなよ」


それだけ言って、オレは窓から飛び出した──



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