Doll 26-Missing
「……ん…………」
「ラセン。気付いたか」
「ハルク……? あの……セツ……兄貴は?」
「セツナは……もういない」
ハルクは視線を落とす。
「……そっか…………あ、アリスは?」
「あいつなら──」
「無事ならいい。あたしのせいで、こんなことに……」
「ラセンのせいじゃねェだろ!」
「…………あたしのせいだよ。ちゃんとさ、ケジメつけるから」
「お前、一人で行くつもりじゃ──」
「今は二人だよ」
ラセンは左胸に手を当てて言った。
「でも、あたしは無力すぎるから……力、貸してくれる?」
「当たり前だろ、そんなの」
「……ありがと」
ラセンは朗らかに笑った。
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