Doll 26-Missing
「………………だ……大丈夫か……その傷……」
リゼルは戸惑いながらも、アリスの右腕の手当てをする。
「あのよ……悪かったな、守れなくて……俺、今……自分自身に苛立ってる。こんなこと、お前に言っても仕方ねーけど」
アリスは俯いたまま、何かを呟いている。
「強くなった気でいたけど、昔より弱くなってんじゃねーかと思う」
「…………だ…………死……んだ……」
「だぁあッ、もう! しっかりしろや!」
リゼルはアリスを強く揺する。
「壊れんなよ! お前は……お前にだけは笑っててほしいんだよ!」
そう言って、リゼルはアリスを抱き締める。
「なっさけねーよ、ホントに……」
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