Doll 26-Missing
「……パパ!」
「ティーデ」
「やっと……見付けた……会いたかっ──」
ティーデが思い切り吹き飛び、壁に叩き付けられる。
「いた……い……パパ、どうし──」
ティーデの言葉よりも早く、Arice・Dollの拳が目の前に迫る。
「ティー!!」
間一髪のところで、ドラージュがティーデの手を引いた。
Arice・Dollは舌打ちをする。
「お前、死にたいのかよ!」
「死……ぬ?」
「アイツ……パパにとって、ボクらはとっくに用無しなんだよ……」
「うそ……なん……で?」
「いいから、早く来いって!」
ドラージュは愕然とするティーデの手を引っ張り、走っていく。
「…………逃げたか。まあ、いい」
「追わなくていいのですか?」
「構わない。あの二人はもう──」
つむじ風に木の葉が舞う──
Arice・Dollは小さく歌を口ずさむ。
“あの歌”だ──
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