Doll 26-Missing
血溜まりの中にラセンを抱き抱える、セツナがいる。
「ラセン! ラセン……ッ」
「オレっちの気持ち、分かるか?」
「……ラセン! しっかりし──」
「あ……にき……」
ラセンはセツナを見て微笑む。
「……と…………えた………………」
「何だ、ラセン?」
「…………やっと…………会えた…………」
「遅くなって、すまなかった」
ラセンは小さく首を横に振る。
「まだ生きてたんだ。しぶといねェ」
「……タスク、黙れ!」
「そろそろ終わった頃だろうし、オレっちもお前ら片付けて──」
「待ちな」
二つの影がタスクの前に立ちはだかる。
「誰だよ、てめェら」
「セツナ。力の調子はどうだ?」
「……クロノ……ゲッカ……」
「何て顔してやがる……」
クロノは辺りを見回して、状況を把握する。
「セツナ。伝えたい事があるんだろ?」
「数分なら、俺達で抑えられる」
「……すまない」
「さぁて。久しぶりだな。行けるか、ゲッカ?」
「いつでも」
ゲッカが手を振り翳すと、クロノとタスクと共に光の中へ消えた──
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