Doll 26-Missing




「エリーゼ、一緒に行かぬか?」
「…………カブラ……わたくしは──」


カブラはエリーゼを抱き締めようとするが、エリーゼは反射的にそれを交わす。


「わたくしは貴方の知っている、エリーゼではないのですよ」
「信じて良いと──」
「思い出は事実。現実は別物ですわ」
「いや、変わらん! 自分は──」
「さようなら、カブラ」


エリーゼは悲しそうに微笑んで消えた──


「何故だ……くっ…………何を信じればいい……ッ」


カブラは膝を着き、項垂れる。



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