Doll 25-Sibling
「いや……ッ」
リクの口から血が溢れ出できた。
それなのに……リクは笑っている──
「ってて……なんだよ、この展開は……」
リゼルが頭を押さえながら起き上がる。
「……動けるなら、距離を取れ」
「あ? コイツ、アリスの弟じゃ……」
「さっきまでは、な」
「どういう意味……いや、何でもねーわ」
リクを見て何かを悟ったのか、リゼルはハルクの隣で構えた。
「アイをたっぷりアリガトウ、ご馳走サマ」
言い終わると同時に、リクの腹部が破裂した。
その場にいた、誰もが息を呑み込んだ──
破裂したんじゃない。
正確には……身体を引き裂いて内(なか)からフラップが現れた。
止めどなく溢れ出る、リクの血──
「や…………やぁ…………っ」
──コトン──
真っ黒に染まったリクの“心-イノチ-”が小さな音を立てて転がる。
「いやぁぁぁああぁぁぁあああああ──」
突然の事に何もかもが追いつかない。
呼吸さえも、ままならない──
リクの“心-イノチ-”とAlice Glassが静かに融合した──
「久しぶりだね、アリス」
立ち上がったリクは……もう、リクじゃない。
完全なArice・Doll──……
アリスの声にならない悲鳴が家中に響き渡った──
Doll 25-Sibling....END....
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