Doll 25-Sibling
「な、何が起きたの?」
「アリス、危な──」
ハルクよりも早く、タスクがアリスに辿り着いた。
「はい。やっぱりお前の……アリスの血、な」
「きゃあ──」
背後から右腕に痛みが走ったと同時に、Alice Glassが閃光を放つ。
「な、なに……?」
タスクが低い声で言う。
「Alice Glassが反応したんだよ。そんで──」
「うぐッ……」
リクの顔が苦痛に歪む。
「どけェ!! 今なら、まだ間に合──」
「邪魔すんなっての」
タスクが思いきり、ハルクを突き飛ばす。
「ハルク──」
「見守ってやんなよ、愛する人の最期をさァ」
「え──」
最期……って、何──?
「あががががが……ッ」
リクがお腹を押さえ、苦しそうに必死にもがく。
アリスの傷付いた右腕から血が滴り落ちる。
「リク! リク──」
触れようとした瞬間、力なくリクに突き飛ばされた。
「リク……どうして……」
「ア……ス…………アリス………………逃げて──」
リクの内(なか)から……何かが滴り、出てくる。
「──ゴメンね、アリス。でも、これでリコリスは……」
安堵の表情を浮かべ、タスクさんは消えた──
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