Doll 25-Sibling
「おい! 逃げる気か──」
「そんなワケない……でしょ」
タスクは一目散にアリス目指して飛ぶように走っていく。
「待て! タス──」
タスクを追うセツナの足がゆっくりと止まる。
「……ラセン?」
ラセンは浅く早い呼吸で倒れていた。
セツナとタスクの距離が一気に開く──
「何故、動いた?」
「……あたしも……闘える……」
「無理だ。先ずは回復──」
「……寝てる場合じゃない……でしょ……それに痛み、あんまり感じ……ないから……」
セツナはラセンを抱き抱える。
「頼むから……じっとしててくれ」
「……兄貴?」
「これ以上、傷付いてほしくない」
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