Doll 25-Sibling
「君は誰?」
僕の問い掛けに、ソレは小さな声で答えた。
……小さすぎて分からないよ。
「この……痛みは、もしかして……」
「そうだよ」
ソレが姿を現した──
「初めまして、じゃないだろ」
「…………だから、別に驚かない」
「あっそ」
「……僕から出ていく気になったの?」
「二人は狭すぎるからな」
──ドクン……ドクン…………ドクン──!!!
その時、漆黒の闇が全てを呑み込む──
「お前が出ていくんだよ、リク」
吹きずさぶ風に必死にしがみつく。
この手は……絶対、離してはいけない、全身がそう訴えているようだった──
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