Doll 25-Sibling
「アリス、大丈夫か?」
「う、うん」
ハルクが私とエリーゼの間に入る。
繋いでいた手をハルクに気付かれないように、慌てて私から離した。
ハルクはエリーゼを睨み見て、振り向く。
「リク! アリスの事、守るんじゃなかったのかよ」
「なんでリクに当たるのよ!」
「男なら、こんな女! 殴り倒し──」
「躊躇わずに出来るのは、お前だけだな……リゼル」
二人のやり取りに笑顔を見せる、エリーゼ。
「何がおかしい?」
「仲がよろしいんですね」
「ふざけんな!!」
二人の声が重なった。
「頭に来た。俺が相手してやるぜ」
リゼルは指を鳴らしながら言った。
「わたくし、闘うつもりはございませんわ」
「はぁ? 嘘つけ! そんな可愛い面しやがってっけど、裏があんだろ?」
「いいえ」
「鬼畜野郎みたいな作戦か?」
「えと……」
リゼルの言葉にエリーゼは戸惑う。
「リゼル。少し、黙ってろ」
ハルクはリゼルの鳩尾を思いきり殴って、気絶させた。
「そんで?」
エリーゼは微笑んで口を開く──
「少し、お話をしません?」
「あぁ、聞いてやるよ」
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