Doll 25-Sibling






「クロノ。アイツを行かせて良かったのか?」

脱ぎ捨てられたメイド服を拾いながら、ゲッカが言った。


「……あぁ」
「まだ完璧ではなかっただろう」
「だから、いいんだよ」
「どういう意味だ?」
「カブラはもう一度、来るよ。そん時がきっと──」
「言うな……分かってる」


ゲッカはそっとクロノを抱き締める。


「犬の癖に……格好つけんなよ」


クロノはそっと瞳(め)を閉じた。
彼女の瞳から、涙が一滴(ひとしずく)……溢れ落ちる。



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