Doll 25-Sibling
「さっきはどうしたの?」
先に口を開いたのは、アリスだった。
「……ごめん。あまりにも可愛くて、さ。キスだけじゃ済まない気がして……」
「嘘、つかないで」
「嘘なんかじゃないよ」
リクに抱き締められる。
その腕は、いつもより力がこもっていた。
「今だって、同じ」
「え──」
「……キスをしたら止まらなくなる……」
押し倒され、思わず身構える。
「……ごめん……本当に……ごめん」
リクは静かに私から離れた。
「私こそ、ごめ──」
「本当。可愛すぎって罪だなぁ」
そう言って、リクはくすくす笑った。
「でも、こういう展開も時間の問題だから……覚悟しておいてよ、姉さん?」
「……っ…………バカっ」
リクが少しずつだけど、男になっていく。
本当にもう……“弟”じゃないよ──
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