Doll 25-Sibling
あの後……リコリスの無事を確認して出たものの、数分で引き返した。
もう一度、リコリスの温もりを感じてからでも遅くはないよな……
「……戻ったよ。一人にさせてゴメンね」
リコリスの細い腕が風で微かに揺れる。
「リコ……リス?」
彼女を見るなり、タスクは驚愕する。
リコリスの腕に亀裂が入っていた。
「駄目だ、リコリス! 諦めるなよ! 諦め……んな……ッ」
リコリスの指が微かに反応する。
けれど、タスクはそれに気付いていない──
「──ッ…………早く……早くしろよ、ラセンッ」
リコリスを抱き締め、タスクは強く唇を噛む。
「早く……早く……終わらせてくれ、頼むから……ッ」
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