Doll 2-Words that I wanted to convey
気が付くと私は図書室の前に立っていた。
そして、吸い込まれるかのようにドアを引く。
中に入ると、見慣れない男子生徒が机の上に座って本を読んでいた。
男子生徒は金髪交じりの茶髪、見た感じは柄が悪そうで……
私は関わらないように通ろうとする。
──が、腕を掴まれた。
「カ~ノジョ。何、探してんの?」
柄が悪そうというよりは、別の意味で見た目と同じだった。
“軽い男”
それが第一印象となった。
「この前も何か探してたよね?……確か“アリス”を調べてた」
「……え?」
「オレっちも探すん手伝ってやるよ」
「……結構です!」
私は逃げるように図書室を出た。
「ちぇ……フラれちゃった」
彼もまた、静かに図書室を出て行った。
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