Doll 25-Sibling
「──ただいま」
「良かった。心配したのよ」
「ママ、リクは?」
「あの子なら、少し前に帰ってきたわよ。一緒じゃないから……リクと喧嘩でもしたの?」
「……えと……私が我が儘言ったからかも……」
「あら、珍しい。でも我が儘なら、どんどん言ってね。家族なんだから」
──“家族”
今のママも、いつだって温かい言葉をくれる。
私は“ママ”が大好き──
「ありがとう、ママ」
階段を掛け上がると深呼吸一つ、リクの部屋をノックする。
「リク、入っていい?」
「……少しだけ、待って」
「分かった」
暫くして、静かにドアが開いた。
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