Doll 25-Sibling




「誰よ、さっきの女」


ティーデが見えなくなると、カラリナがドラージュの襟を掴んだ。


「これも嫉妬ってやつか?」
「そうよ、悪い?」
「面白いな、ははっ」
「答えになってないわよ。早く答えなさい」
「ボクに指図すんな」


そう言って、ドラージュはカラリナを蹴飛ばす。


「いけない脚、ね」


カラリナはドラージュの脚を掴み、撫でる。


「うおぁッ! 何すんだよ! すんげぇ、鳥肌──」
「女を甘く見んじゃないよ」


そう言って、ドラージュを地面に叩きつける。


「いってぇ! お前、キャラ変わりすぎじゃ──」
「今まで男を支配してきた。落ちないのはアンタだけなの」
「前にも聞いたっての」
「支配されるのは悪くない。けどね、私の身体を傷付けるのは許さない」
「はぁ?」
「身体は女の……私の武器なんだよ」
「そういうことかよ。そんじゃ……武器を使ってくれよな、ははっ」


ドラージュはカラリナの耳元で何かを囁く。


「……そんな簡単なこと。褒美は何?」
「お前の仕事次第」
「上等よ」

カラリナは舌舐めずりをする。
ドラージュの顔が一瞬、青ざめた。
誤魔化すように彼は言う。


「それと、さっきの質問な。ティーは……ティーデは──」


ドラージュは月明かりに目を細める。

──ティーデはボク自身だよ──



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