Doll 2-Words that I wanted to convey
次の日、学校へ行くと皆の視線が冷たかった。
それもそのはず……
手紙に入っていた写真がクラスメイト達にも配られていたのだから──
「よく学校、来れるね……」
「ほんと、ほんと。見殺しにして知らないふりなんてねぇ」
「もしかして、スージィ君を殺したのも……」
そう言って、私をジロジロと見る。
こういう時は無視が一番。
分かってはいるものの辛すぎる……
「スージィの次は転校生かよ」
「転校生が死んだら、次は俺にする?」
「ぎゃはは! 冗談はやめろって」
聞き流すって、言うのは簡単だけど実際は無理に等しい……
聞かないようにしていても嫌なものは聞こえてくる。
「って、無視子ちゃんかよ」
と、通り過ぎる私に男子生徒が足を引っ掛けた。
私は派手に転んだ。
「あっははは、ダセー」
「今日は、おっかねーのも居なけりゃ庇ってくれんのもいねーのな!」
そんな事ない!
そんな事ない!!
私は涙を堪えて起き上がってクラリスを見る。
「……クラリス──」
クラリスは耳をふさいで顔を伏せていた。
耳に当てられた手は、微かにだけど震えている。
クラスメイト達の声がすり抜けていく。
私は重い足でクラリスの席に行った。
「……写真、クラリスなの……?」
クラリスは小さく頷いて口を開いた。
「…………ハルクくんとの写真……それは私のだよ……」
「……どういう事?」
「……手帳に挟んでたのが無くなってて、それがこんな事になるなんて──」
クラリスは涙を浮かべて言った。
「ゴメン……ゴメンね、アリス…………ゴメン……」
Arice・Dollじゃなかった……
だけど……
まさかクラリスが犯人だったなんて──
「…………友達…………親友だと思っていたのに……」
私はボソリと言った。
クラリスに裏切られるなんて思ってもみなかった……
私はクラリスを信じていたのに──
「2枚の写真は知らない……それに、私もアリスを信じてるから……」
嘘だ……
信じているなら、どうして目を合わせてくれないの……?
「私は信じられ──」
「信じて! 私じゃない!!」
クラリスは必死だった。
必死さが逆にわざとらしく思える……
でも皆は私を悪者として見てるんだ……
悔しくて私は写真を握り締めた。
辛い、よりも悔しい──
「アリス、信じて──」
「忘れ物……取りに行かないと……」
私はクラリスを無視して教室を出た。
こんなに痛くて苦しくて寂しくて、辛いのは初めてだった。
今は誰も信じられない──
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