Doll 25-Sibling




静まりかえった路地裏でティーデが力尽き、倒れていた。


「何やってんだよ、ティー」
「……ドラ……」
「傷だらけじゃん、珍し──」
「誰? その女……」
「ボクのオモチャ。羨ましいだろ、ははっ」
「うざ……」
「ティー、早く消えろよ」


そう言って、ティーデに皺だらけで汚れたハンカチを投げ捨てた。


「ドラ……変わった……ね」
「あん?」
「……今まで……こんなこと……しなかった」


ティーデは小さく笑った。


「ははっ、だろうな」


ドラージュもまた、笑った。


「ほんと……変わった……」
「へえ。ティーはどうなの?」
「……わかんない……きっと……変わって……ない」
「じゃあな、ティー」
「…………わかんない……」


ティーデはもう一度、呟いた。



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