Doll 25-Sibling
食事を終えて部屋に戻った。
「あ、宿題やらなきゃ」
“ママ”の事が頭の片隅にあって、勉強に意識が集中出来ない。
気を紛らわそうとすればする程、空回りする。
──その時、ドアをノックする音がした。
「姉さん、入るよ」
「どうしたの、リク?」
「勉強中だったんだね、ごめん」
「あはは、難しすぎて──」
リクに後ろから抱き締められた。
「リ……ク?」
「本当に、ごめん。アリスの気持ち考えてなかった」
「え?」
「ごめん……」
「どうして、リクが謝るの?」
「……ごめん」
リクの手に力がこもった。
「……リクは何も悪くないよ。ただ、思い出したの……昔の事」
「聞いても……いい?」
「うん……ありがとう」
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