Doll 25-Sibling




「今年もクリスマスは家族で過ごせそうね」


嬉しそうにママが言った。


「クリスマスって、まだ先だよ?」


リクが小さく吹き出して言った。


「小さい頃は夏を過ぎたらすぐに、クリスマスって騒いでたのは誰かしら」
「それは……昔の事だってば」
「リクにもそんな時期があったんだね」


私の知らないリクを知る度、嬉しくなる。


「子供なら普通の反応だよ」
「そうなんだけど、今のリクからじゃ想像つかないんだもん」
「……アリ……姉さんはどうだったの?」
「わ、私は……」


──“ママ”


「……私も、はしゃぎまくってた」


パパと……“本当”のママとのクリスマス。
……正直、あまり覚えていない。
知らないうちに蓋をしていたのかな……


「今年も張り切って用意するからね」
「楽しみ! ママのご馳走料理は期待を裏切らないもんね」
「もう、アリスったら」


“本当”のママも“今”のママも大好き。
嘘じゃない──

今、私が笑ってられるのは……“ママ”のおかげだから……



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