Doll 24-Poison needle
「はぁ……お腹いっぱい! ママのご飯、やっぱり最高すぎる」
「ふふふ、姉さん。食べてすぐ寝ると牛になるよ」
そう言って、リクは私の隣に座った。
「分かってるけど、無理……食べすぎたんだもん」
重たい体を起こして座り直すと、パパとママもソファに座った。
「そんじゃ、久しぶりに家族4人でテレビでも見るか」
「あら、いいわね。ドラマよりバラエティーかしら」
4人で座るには狭すぎるけど、嫌じゃない。
触れる温もりどうしが心地よくて。
この時間が長く続けばいいなって、当たり前なことなんだけど。
そんなことを考えていると、不意にリクと目が合った。
「わ、私、お茶入れてくる」
立ち上がった途端、リクに腕を掴まれた。
「姉さん。後で僕の部屋に来て、勉強教えてくれないかな。宿題、手こずってるところがあったんだ」
「え──」
戸惑う私にリクは、ママ達の目を盗んで耳打ちした。
「二人きりになりたいんだ、アリス。いいよね?」
「う、うん」
積極的なリクに鼓動が早くなる──
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