Doll 24-Poison needle






「──っ……いたっ……」


リクはお腹を押さえながら、膝をつく。


「大丈夫かい?」
「ありがとうございます……」
「保健室に──」
「いえ、大丈夫です」


自分で立ち上がろうとするリクに男が声を掛けた。


「君が……リク、君?」
「あの……失礼ですが、あなたは──」
「カルロ。今日から高等部に入る教育実習生。宜しくね」


そう言って笑顔で手を差し出す。


「……よろしくお願いします」
「やっぱ、やめ。女の子以外と握手なんて仕事中以外は無理」
「はい?」
「何でもないよ。ごめんね、急ぐから」


リクに背を向けると、カルロは不適な笑みを浮かべた。



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